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オンライン資格確認を導入しています。 感染対策として栃木県がんセンターとの連携のもと院内トリアージを実施しています。 皆様のご理解とご協力をお願い致します。 ・栃木県立がんセンター乳腺外科 ・独協医大乳腺センター ・自治医大・乳腺科 との乳がん地域連携を実施しております。
<宇都宮市胃がん検診実績報告>
平成29年度 受診率 17.6%(ほぼ横ばい、全国平均≒8%)
内視鏡検査の希望者が半数以上。
内視鏡希望者が増え、X線(バリウム)希望者は減。
平成28年度〜胃内視鏡検診が認められた。
対象年齢:今までの40歳→50歳に引き上げ。
検診間隔:2年に1回。
発見率は…
X線(バリウム):約 0.1%(17人) 陽性反応的中率 約1%.
内視鏡:約 0.5%(92人) 陽性反応的中率 約32%.
と内視鏡のがんの発見率が約5倍 !
内視鏡検診は必要時には生検までできる点と
がん以外の疾患(食道がんや胃潰瘍・逆流性食道炎など)も発見できる利点などから、
信頼性が増し、希望者が増加しているようです。
<対策型内視鏡検診における精度管理とリスクマネジメント>
と題する講演を伺ってきました。
講師 東京都ガン検診センター 入口陽介先生
進行胃がんの5年生存率は50%を割り込んでしまうため、早期癌の発見が大切
検診で写真撮影は37枚くらい撮る。
写真は、前壁・後壁・小弯・大弯の4方向をきちんと撮ること。
(くまなく系統立てて観察する技術)
内視鏡検診での生検率は10%弱くらいで良いのではないか。
内視鏡観察について
まず挿入時はよく粘液等をよく洗って、形態的な異常を見る。
問題なければ、次に色調の異常を見ていく。
食道胃接合部(SDJ)は、きちんと吸気させて伸展させて見る。
見落としやすいところ…
1. 粘膜の萎縮が進んでいるときは要注意。
萎縮の進んだ腺境界にがんは多く発生するので重点的にみる。
2.粘液が付着しているところは見落としやすい
対策:よく洗浄して粘液を洗うこと。
3.噴門部は良くみること。噴門部のがんが増えており、予後も不良。
ピロリ除菌後症例が増えているが、除菌後の胃はがんを見つけにくい?!
理由:正常上皮が再生してきているため、がんが隠れやすい。
とくに高齢者のピロリ除菌後は萎縮も進んでおり判りにくくなる。
部位的には、とくに小弯・後壁が見落としやすい。
理由:スコープの陰になったり、接線方向で正面視しにくいため。
噴門部(とくに小弯)は、反転でもきちんとみること。
(他、胃角〜胃体部後壁・胃体部大弯・蠕動のある前庭部)
がんを見つけるポイントは…
粘膜ひだの太まりではなく、ひだの急なやせ・細まりに注目する。
よく送気して胃を膨らませてみることが大切。
コツ:仰向けにすると胃の膨らみが良くなり観察しやすい。
毎年内視鏡を受けていても進行癌が発見されることがある。
生検してがんが検出されないからといってがんでないとは言いきれない。
画像上、がんを疑った場合は、closed follow up を!
あくまで画像所見優先が良く、生検はその確認に過ぎない。
過形成性ポリープと判断して、経過観察したら進行癌になった例もある。
対策:過形成性ポリープの周囲粘膜もよく観察すること。
その他、経年的に比較してみていく必要もある。
だから毎年同じ順序で同じように撮影することが大切。
こうすれば、がんが見つかったときに、前年の部位の画像を比較できる。
フィードバック学習でき診断レベルの向上に役立つ。
最後に、達人曰く…つねに早期がんを全身全霊で見つける気持ちで臨むこと!
などをお話し頂き大変勉強になりました!
他には…
分化型胃癌は萎縮や腸上皮化生を背景とした腺境界付近の淡い発赤に注意して、
必要に応じてインジゴカルミン色素散布して観察。
未分化型腺癌は、萎縮のない胃底腺領域の小さな退色に注意して、
必要に応じて酢酸の散布で白色化を逃れるかを観察することも大切と考えています。
安心・安全の皆さまの信頼に耐えうるよう診療に活かして参ります。
いつも皆さまの非常に多くのご来院、誠に有難うございます。