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<検診広報の不利益> と題する記事が掲載されておりました。
検診受診の際の参考になれば幸いです。
勝俣範之 日本医科大学武蔵小杉病院・教授(抗がん剤専門医)が「乳がん自己検診は米国でも勧めていません」とネットでつぶやいていた。
どういうことだろう?症状のない人ががんを見つけるために受けるがん検診は、利益と不利益のバランスが重要だ。
乳がん検診は、若い女性では不利益が勝る。
そこで日本乳癌学会は40歳未満には自己検診を勧めている。
自分で触って調べるくらいなら、不利益はなさそうだ。
勝俣さんによると、定期的に自己検診する群と異常に気付いたら医師にかかる群に分けた比較試験の結果、自己検診群で負担がかかる検査を受ける不利益が増し、乳がんの死亡率も下がらなかった。
このため、米国立がん研究所は定期的自己検診より「異常を感じたら受診を」と勧めている。
一方、日本乳癌学会の岩瀬拓士・がん研有明病院乳腺外科部長は「本人が関心をもってチェックする方が、医師の視触診より異常に気づきやすい」と説明する。
伝えたいのは、「異常を感じたら受診を」だという。ならば両者に違いはなさそうだ。
勝俣さんがあえて挑発的な表現で訴えたかったのは、検診のもう一つの「不利益」だ。
「啓発団体などが『検診で早期発見すれば、がんは治る』と広報で強調する結果、がん患者に対して『検診を怠った人』という偏見が生まれている」
「どうして検診を受けなかったの」といわれ、傷ついたがん患者の嘆きを私も聞いたことがある。
誰もががんになりうる現代。
検診の力を強調する段階から、がんをよりよく知る段階へと歩みを進めるべきではないか。
<参考文献>毎日新聞コラム「発信箱」 2016年9月7日付
<インチョーより>
“検診受診率向上!!” と錦の御旗のように声高に叫ぶ時代から、
がん検診に関して利益・不利益を知り、賢く自由に選択する時代です。
がんの治療も多種多様、治療しないという選択肢もある時代で、
検診を受けないという選択の自由も尊重されるべき時代に入ってきたと考えられます。
今後も皆さまの判断の参考になる科学的データを発信して参ります!