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2016年6月27日
進行・再発がんでもあきらめない(1)
進行・再発がんでもあきらない(1)
権威ある月刊誌「文藝春秋」に
がん劇的寛解例に学べ〜驚くべき長期生存者に共通する食生活〜と題し、
進行・再発がんでも驚くべき回復が起きている記事が掲載されていました。
私のがんに対する考え方やアプローチにとても類似していると思いました。
進行・再発がんで闘病されている方のご参考になれば幸いです。

書いたのは、和田洋巳医師。2011年まで京都大学呼吸器外科の教授。
退官後、京都市内にクリニックを開業しているドクターです。

済陽先生もそうですが、大学病院などでがんの手術を数多く手がけてきた外科医師が
退官後クリニックを開業し、いわゆるがん標準治療とは異なったユニークなアプローチで
がん診療に関わっているケースは多いです。

私も、数多くのこうしたドクターやサバイバーの方たちとの会談・対談・取材をして参りました。
こうした取り組みの中で、
がんの治し方は「治った患者さんから学ぶのが1番!」との結論に至り、
最近ではほぼ確信に変わってきました。

和田医師によれば、
「がん治療には今、パラダイムシフト(革命的変革)が求められている。
我々がやってきたがん治療は間違っていたのではないかー」
そして、パラダイムシフトのための具体的な方法として、
「劇的寛解例に学べ」と主張している。

私は、今の標準がん治療の方向性は間違っていると感じています。
数多くのがん患者が『大変な苦痛』を伴う治療を強いられ、
『極端に高額な医療費』を負担させられたあげく、
それでも『がんが治らない』という
なんとも理不尽な状況に置かれており、
こんな治療を続けていいのか疑問に思っていた
のです。

ならばどうすればいいのか。
私は「がん治療は『答え』から出発すべきではないか」と考えました。
例えば、受験指導のプロは正答から出発して、
そこへ至る解法の体系を構築し、受験生に提供しています。
(発想が優秀な京都大学の先生っぽいですね)
がん治療も同じで、これだけやってきても成果が上がらないなら、
数は少ないながらも確実に存在する成功例を出発点に、
なぜそのようなことが起きるのかを真摯に見直す必要があると考えたのです。
その出発点となる「答え」が「劇的寛解例」ということなのです。

しかし、このような手術すらできない末期癌の中に劇的な寛解を示す患者が存在することに
大半のがん治療医は聞く耳を持とうとしません。
このような寛解例を目の当たりにしても、
「なぜなのだろう」と考え、
「患者に何をしたらこうなったの?」と尋ねる医師はまずいません。
大多数の医師は標準がんの体系のルールから外れることはタブーであり、
かつ自分たちが信じてきた体系が崩れ去るのを恐れて、
彼らは不都合な真実に目をつむってしまうわけです。

また、一定の治療を受けながら劇的寛解を得た患者自身も、
医者に怒られるのが怖くて何をしたかを伝えません。
そのため、医者たちは自分たちの治療が奏功した結果だと勘違いしてしまうのです。


参考文献:和田洋巳(2016)「がん劇的寛解例に学べ」,『文藝春秋』2016年6月号,p.310-312,文藝春秋